アボリジニ文学 その2
1970年代半ばになると、多文化主義政策が導入され、アボリジニ文学がさらに注目されるようになりました。
例えばジャック・ディビスを初めとする劇作家、ケビン・ギルバート、ロバート・メリットたちが活躍しました。
1982年に上演されたジャック・ディビスの『ザ・ドリーマーズ』は、現代のアボリジニの人々のアイデンティティを問いかける作品です。
80年代は、アーチー・ウェラーが『みじめな生活』(1981年)や、『故郷に帰る』(1986年)などの小説で、アボリジニの苛酷な生活を、性と暴力と笑いによって表現しました。
この2つの作品は後に映画化されています。
また、サリー・モーガンの『マイ・プレイス』(1987年)は、自分のルーツを探るという新しいテーマを提起した作品であり、オーストラリア人たちの共感を呼びました。
アボリジニの作家や芸術家のうち、サリー・モーガンのように商業的に成功したケースもありますが、ほとんどの作家は経済的に自立することは難しく、その他の職業に就いたり、助成金を受けることを余儀なくされます。
キャス・ウォーカーはかつて秘書として働いたほか、政治運動に参加しながら作家活動を続けました。
ジャック・ディビスは、作家活動を始めていた1972年に、国会議事堂の外にアボリジニの「テント大使館」なるものを設立し、アボリジニの権利獲得運動に参加しました。
また「アボリジニ出版基金」などの仕事にも従事したそうです。