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2010年05月 アーカイブ

多文化社会と共和制運動

オーストラリアの人口は、1995年度に1800万人を越えましたが、そのうちの4分の1弱は外国生まれの移民・難民であり、世界中から移住者が来住しています。

故に、オーストラリア国民のうちで、その海外出生者に加え、両親ないしはいずれか一方が海外出生者という国民の割合は5人に2人と推定されています。

第2次世界大戦直後の人口は約760万人なので、約50年で1000万人程増加したことになります。

その半数が移住者によって賄われ、その半分はヨーロッパ系中心の非英語系移住者であり、出身国は多岐にわたることから、国民の7人に1人が非英語系言語を母語としていると考えられている多文化社会です。

このことは日本でもかなり理解されはじめ、多文化主義を論じる際、カナダや米国に加えオーストラリアへの言及が多くなっています。

10年前の年間移住者は、80年代中ごろの10万人を越える数から大幅に減少し、90年代は6~8万人前後を上下していました。

その約50%はアジア系です。

アジア系人口は、全人口の4~5%と考えられています。

依然としてキリスト教社会ではありますが、イスラム教徒や仏教徒も急増しています。

1947年、全人口中キリスト教徒は0.5%から2.6%に増加しています。

(統計では無宗教・無回答が増加し、20%近くに達していることが注目されます)

また、先住民族アボリジニも近年増加中です。

19世紀には滅びゆく人々と規定されていたため、白人オーストラリア人入植当時30万人と見積もられた人口は10万人以下にまで減少し、20世紀初頭に人口は最低となりましたが、現在では全人口の1.5%強を占めるまでに回復しています。

多文化社会と共和制運動 その2

多文化社会である以上当然のことながら、異文化・異言語・異宗教間婚姻が増加しています。

それにもかかわらず文化・言語・宗教の境界維持は顕著で、オーストラリアは多宗教・多民族社会化しているといっていいでしょう。

かつて白豪主義国家として有色人移住者や難民の移住を拒否していたオーストラリアが、戦後急速に多民族国家・多文化社会となったのは、第2次世界大戦直後の1947年から大量移民政策を実施したためです。

大量移民政策により英国系移民の他に、戦後直後には大量の非英語系ヨーロッパ人移民や、難民を受け入れました。

さらに、1950年代と60年代にはギリシャ、イタリア、旧ユーゴスラビアから大量移住を求めました。

60年代後半からはトルコ、レバノンなど中近東からの移住者を受け入れた後、70年代後半からはインドシナ難民の大量入国を認めたのです。

この大量移民政策は、当初、日本軍の本土攻撃に触発された大陸防衛強化と、戦後の経済復興・経済成長のために必要な大量の労働力増を目的として開始されました。

時々中断しながらも、1990年代初頭まで継続されています。

白豪主義(White Australia Policy)は、トルコ人を受け入れる頃(1966年)から解体が進んだといえます。

他方、第2次世界大戦後日本・極東アジアや東南アジアとの経済関係の強化が必要になると、白豪主義政策は関係強化への大きな障害であると意識されはじめました。

この面からも白豪主義解体が叫ばれはじめ、同政策は1960年代半ばから70年代半ばにかけて解体されました。

1975年の連邦人種差別禁止法の制定が、白豪主義の最終的解体の目印とされています。

その後、非差別的移民政策が実施され、オーストラリアの多文化社会化が進んだのは、オーストラリアの経済・政治面でのアジア太平洋国家化の促進によるものです。

近年ではアジア太平洋地域ばかりではなく、アフリカ諸国をも巻き込んだインド洋地域とも関係強化の努力を進めているのです。

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